JRの駅員が育てた「クラフトビール」はどんな味? 「ぽっぽやエール」のホップは武蔵境で生育中
『東京でホップを育てよう!プロジェクト』とは、クラフトビールブームにあやかり、東京都内の個性的な街でホップを育て、地元のビールを造って飲もう!というコンセプトをもとに始まったプロジェクト。2020年に吉祥寺からスタートし、2021年に同じく武蔵野市にある関前とJR武蔵境駅を加えた、計3カ所でホップを育成している。
「駅社員は、泊まり勤務などもあり、基本外に出ることがないのです。地域に一番近い存在なのに、地域の方との交流が今まで全然ありませんでした。しかしホップを育てるようになってから、通りがかりの方に『何を育てているの?』とか『楽しみにしているね』と声をかけられ、コミュニケーションができるようになりました」(河野さん)
ホップは、武蔵境nonowa Terraceの建物壁沿いのスペースで育てられている。つる性の多年草なので、ネットを張り、それに沿わせて生い茂らせていた。上のほうには花が咲いているものもある。
「夏場の水やりは1日1回です。冬場は3日に1回で済みます。基本は地面を濡らせばいいので、そんなに大変ではありません。詳しい方からのアドバイスを受けて、害虫が出たら駆除などもしています。本当によい気分転換になっています」(河野さん)
ホップの収穫は基本秋で、ポコポコ出てくるので何回かに分けて収穫している。できたホップは26Kブルワリーで醸造する。
醸造体験会も開催
26Kブルワリーは武蔵境駅高架下にあり、駅敷地内の店舗として付き合いがあった。醸造所面積が3坪足らずのマイクロブルワリーなので、収穫したホップは冷凍し、醸造する際に小出しにしている。
「醸造するときは、一般の方を対象に、体験会も開いています。場所が狭いので1回に10名、午前午後と2回行います。醸造体験は1日で終わりますが、そこから寝かせてビールができるまで1カ月かかります。1回の醸造で600本ほど瓶につめ、1年で4000本造りました」(村松さん)
「中央線ビールフェスティバル」は2018年から始まり、2019年は春と秋の2回。2020年・2021年はコロナで開催できず、オンライン開催となった。2023年の今年がリアルに開催する5回目となる。
「2022年のオンラインビールフェスティバルで、瓶入りの『ぽっぽやエール』が初お披露目となりました。『あのホップがビールになったのですね』と言っていただけたりして、お客さまの反応はよく、完売しました」(河野さん)
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