JRの駅員が育てた「クラフトビール」はどんな味? 「ぽっぽやエール」のホップは武蔵境で生育中
「中央線ビールフェスティバル2023」のメイン会場はJR武蔵境駅南口からすぐの境南ふれあい広場公園。屋台が公園を囲むように円形状にずらりと並び、大勢の人がその間を行き来しつつ、ビールを飲んでいる。
参加しているブルワリーは中央線沿線・多摩地域でお店を営む18軒。それぞれの屋台がJRの駅名標を模したデザインになっていておもしろい。しかもよく見ると、ちゃんと沿線の駅名順に並んでいるので目当てのブルワリーが探しやすい。
ビールは1杯(275ml)税込み700円だが、1杯あたり50円お得になるビール5杯分の回数券チケットも会場で売られていた。回数券はJRのきっぷのようなデザインだ。
鉄分の濃いイベント
さらにこの日は、回数券を買うと数量限定で、JR武蔵境駅から帰りの際に利用できる乗車券(320円区間)をプレゼント、というJR東日本の実証実験も併せて行われていた。なかなか鉄分の濃いイベントである。
私のいちばんの目当てである「ぽっぽやエール」は、メイン会場ではなくサブ会場の「武蔵境nonowa Terrace」で販売されていた。こちらは1杯(240ml)税込み880円で、これだけビール引換回数券が使えず、決済は交通系ICカードのみとなっていた。
飲んでみると、苦味もありつつ、さわやか。香りもよく、これは女性に人気が出そうな味だと思っていたら、やはり並びだした行列には女性が多く見られた。
このビールのホップが、武蔵境駅構内で育てられているらしい。実際の種まきや水やりなどを、全て駅員さんが担っているという。ホップは、ビールの苦味や香り、泡、保存性に重要な役割を果たしている植物だ。なぜ駅員さんがビールの原料を育てているのだろう。
武蔵境駅で駅業務をしている河野沙耶さんとnonowa武蔵境の担当をしている村松美桜さんにお話を聞いた。河野さんは駅員として2年目。村松さんは昨年まで武蔵境駅の駅員をしていたそうだ。
「もともと『東京でホップを育てよう!プロジェクト』というものがありまして。そことお付き合いのある武蔵境の『26Kブルワリー』さんに、駅でホップを育てたらおもしろいのでは?と提案され、2021年3月から育て始めました」(村松さん)
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