JRの駅員が育てた「クラフトビール」はどんな味? 「ぽっぽやエール」のホップは武蔵境で生育中

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今回のイベントでは、生ビール1400杯を限定販売した。ぽっぽやエールは通常飲める店舗がなく、基本、催事でしか販売していない。

JR中央線コミュニティデザインの制服(筆者撮影)

実はおふたりとも、JR東日本の本社の社員ではない。「JR中央線コミュニティデザイン」という、JR東日本グループ企業の社員だ。同社は、沿線の主要駅において「CELEO」「Dila拝島」「nonowa」の3つの商業施設を展開したり、JR東日本からの受託事業として、駅業務を行っている。ほか、高架下開発・活用事業、地域活性化事業、教育事業、ワークスペース事業などを手掛けている。

例えば中央線では武蔵境駅や東小金井駅、西国分寺駅、国立駅、西八王子駅、そして南武線の一部駅。そこでのきっぷの販売や精算業務、ホーム上の安全確保、お客様のご案内などを受託している。

「入社するとすぐ、いろいろな駅業務の仕事を覚えなければなりません。複雑なきっぷの販売もやりますし、マルスも打てるようになりました。よく見てもらうと、制服がJR東日本のものとは違っています」(河野さん)

「2021年4月にJR中央ラインモールとJR東京西駅ビル開発が合併してできた会社なのです。ホップを育て始めたのが2021年3月なので、その業務もそのまま引き継がれています。ビールフェスティバルにいつか自分たちの作ったビールで参加したいという夢が、やっと実現できました」(村松さん)

「26Kブルワリー」のビーチセッションIPAとソーセージ(筆者撮影)

「中央線文化」としての成長も

中央線ビールフェスティバルは、地元の企画会社とブルワリー、JR東日本、そして中央線コミュニティデザインほか、地元に根ざす企業が協力し合って作り上げている。

来場者は、2018年は1万人だったのが、年を追うごとにほぼ1万人ずつ増え、今年はなんと過去最高の5万人もの人が来場した。18ブルワリーの参加も過去最多だ。

クラフトビール熱もさることながら、中央線文化としての成長も感じられる。来年の開催にも期待したい。

そういえば、車内で大手メーカーの生ビールや缶ビールを楽しめる「ビール列車」は数あれど、あえて地方ならではの「クラフトビール列車」があれば乗りたい……。

などと思っていたら、昨年から今年にかけて、すでに京都丹後鉄道や関東鉄道、近畿日本鉄道、大阪モノレール、静岡鉄道などで「クラフトビール列車」が運行されていた。

列車車両などハード面の魅力だけでなく、ビールの個性でさらに細分化・差別化を図る時代なのかもしれない。また旅に出る動機が増えた。

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