「ブルーベリーが目にいい」を信じる人の"大盲点" 本当に目にいい健康習慣とは?

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ルテインの1日の推奨摂取量は、10ミリグラムです。特に濃い緑色の野菜にはルテインが多く含まれており、ケール45グラム、モロヘイヤ75グラム、小松菜130グラム、ほうれん草220グラムほどで、10ミリグラム相当のルテインを摂取できます。

また、卵のルテイン含有量そのものは少量ですが、卵由来のルテインは体内での吸収率が高いといわれています。

ルテインは水に溶けづらく油に溶けやすい脂溶性の栄養素で、熱変性もあまり起こりません。ですから、先に挙げたような野菜の炒めものや卵とじは、効果的にルテインを摂取できる料理といえます。下ゆでなどでルテインが大量に流出したり破壊されたりする心配もありません。

また、ルテインはたくさん摂取すればするほど効果が増強されるわけではありません。しかも、しばらく摂取し続けて血中のルテイン濃度が上がれば、それ以降は、さほど意識的に摂取する必要はなくなります。

となると、わざわざサプリメントを継続的に購入せずとも、日ごろの食生活をちょっと意識すれば十分にルテインを補充できます。

ただし、ほうれん草には結石を形成するシュウ酸が含まれているため、結石ができやすい人はルテインのサプリメントを飲むという選択肢もありでしょう。

「緑は目にいい」は本当か?

昔から言われている「緑は目にいい」というのも誤解です。正しくは「遠くを見る習慣があると近視が進行しづらい」です。

昔は遠くを見ると、自然の景色が目に入ったのでしょう。そこから転じて「緑は目にいい」と言われるようになったと思われますが、重要なのは「距離」であって「色」ではありません。「遠方のスカイツリー」を見ようと、「遠方の山々」を見ようと、距離が同じならば効果に違いはないわけです。

では「遠方」とはどれくらいか。アメリカの眼科学会が出している指標は「6メートル」ですが、科学的には「2メートル以上」ならば遠方と見なしていいとされています。

この2メートルにも、もちろん根拠があります。ボーッと何かを見てピントが合う「調節安静位」は1メートル前後。ここが、いわば「近く」と「遠く」の境界線なので、それよりも遠くの2メートル以上は「遠方」になるというわけです。

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