参天製薬の「近視進行抑制剤」に注目が集まる理由 国内で初承認、小児の近視対策に新たな選択肢

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近視進行抑制剤として国内で初めて製造販売承認を受けた参天製薬の「リジュセアミニ点眼液」(写真:参天製薬)

スマートフォンの普及、学校教育でのタブレットやノートパソコンの導入。低年齢のうちから電子機器を眺める時間が大幅に増加している。その影響で増加しているのが、近視だ。

文部科学省が実施する学校保健統計調査(2023年度)によれば、裸眼視力が1.0未満の児童・生徒の割合は、小学生で37.8%、中学生で60.9%に上る。10年前に比べて、その割合はそれぞれ7~8%増加した。その原因の8~9割は近視と指摘されている。

近視は治療法が確立されていない一方で、進行を抑制することは可能だ。特に子どもの近視は進行が速く、放っておくと、重度の疾患につながるリスクがある。

そこで、近視の進行を抑制する眼科薬の開発がテーマとなってきた。

国内初の製造販売承認を取得

2024年12月27日、近視の進行抑制剤として国内初の製造販売承認を取得したのが、眼科薬国内最大手の参天製薬とシンガポール国立眼科・視覚研究所であるシンガポールアイリサーチインスティテュートが共同開発した「リジュセアミニ点眼液」だ。

販売開始は2025年春の予定。保険適用の対象とはならないが、1カ月分で4000円程度と比較的手に届きやすい価格設定となりそうだ。

投与対象となるのは基本的に小児で、厚生労働省によると、想定される患者数は36万人程度。それでも、近視研究の世界的権威で、東京科学大学眼科学教室の大野京子教授は、「低年齢の時から早いうちに処置できるため、今回の承認は非常に大きな意味を持つ」と期待を寄せる。

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