スリランカには、「シーギリヤロック」に代表される多くの観光名所、豊かな自然を活かしたサファリ、ヌワラエリヤ産の紅茶などがある。また、インドやタイなどとも異なる独特の緩い南国感が心地よい。
同国で、政府公認のタクシーサービス(ツーリリストカー)を提供する「スリランカタクシーサービス」代表の西原龍起(37)氏が、現在の活況ぶりをこう明かす。
「現在ウチのサービスの利用者は、コロナ前を大きく上回り、年間で約500組のペースの水準になっています。日本人に限らず、欧米を中心としたスリランカ旅行への需要が高まっています。
中でも日本人女性に人気で、世界遺産の他にも、アーユルヴェーダ(インド・スリランカの伝統医療)、ジェフリー・バワが建築したホテル、豊かな自然にシーフードやカレーといった食事の満足度も非常に高く、とにかくコスパの良さが日本人に刺さる。数少なくなった、日本人にとって『安いね』『コスパがいいね』という感覚で楽しめる国ですね」
観光客数も増加中
旅行者からの人気の背景の1つには、国を挙げての観光への注力もある。観光客数は、コロナの落ち着きもあり、2021年の19万4495人から、2022年には71万9978人と3倍超に増加。本年度はこの数字はさらに伸びる見通しだ。
スリランカは経済面において、2022年春にデフォルトに陥っている。現地の人々によれば「物価は総じて2倍近くになっている」という声も多かった。しかし、国民の平均月収は200ドル程度で伸びておらず、生活は改善の気配が見えない。それでも仏教徒が7割を占めるというお国柄もあってか、殺伐とした空気感は全く感じない。礼節を重んじるという日本人に近いメンタリティを持つ人が多い印象だ。
前出の西原氏がいう。
「スリランカの最大の特徴は、とにかく“人がいい”ということ。これは大きなポイントで、かつて商社マンでいろんな国を見てきた私も、数カ月滞在してほとんど悪い人に会う機会がなかったことは驚きでした。この点も女性からの人気が高い要素だと感じますね」
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