中学受験知り尽くした2人が語る「最強親」への一歩 「折れない心」の親になるたった1つの方法

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高瀬:ついカーッとなっちゃうときって、親は子どもに怒っちゃっているように見えて、実は鏡に怒ってるんですよね。自分のコンプレックスを投影したり、自分と同じところで子どもが困っているのを見て過剰に反応したり。でも、感情的になりすぎちゃったなと思ったら素直に謝ればいい。

おおた:素直に謝ってみると、子どももすごく優しく受け止めてくれるじゃないですか。そうすると、親自身も自分をゆるしやすくなると思います。

無料塾「スターフィッシュ」はどうなる?

高瀬:まだ割と素直に話せる小学生の時期にそういう関係性をもてていると、思春期も完全な断裂にならない程度に乗り越えられるかなって思っていて。腹を割ってぶつかった経験自体は最終的には悪いものにはならないと思います。

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おおた:『二月の勝者』のコミック最新刊の今川さんや原くんの親御さんは、それが入試本番という土壇場になるまでできなかった。

もうちょっと手前の11月くらいまでで現実から目を背けずにいられれば、狂気あるいは最強メンタルをもうちょっと早く身につけられたとは思いますね。

高瀬:そんな気がします。

おおた:今川さん親子も、原くん親子も、第1志望合格はもう無理なんですけど、「二月の“笑”者」になるという意味では、ギリギリセーフです。

高瀬:今日はこういう対談だから偉そうにしゃべりましたけど、そういう自分自身、もっと狂気がほしいなと日々思ってます。

おおた:私もです! 中学受験とか子育てのこととかを知り尽くしていて何事にも動じないんだろうと思われがちなんですけど、そんなわけないですよね。

中学受験生を見守る最強メンタル!
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高瀬:とんでもないですよね。自分で描いていて、自分にグサグサ刺さっているんで(笑)。もうブーメラン。

おおた:おんなじです! 「あのときはごめんな」って泣きながら書いていることありますもん!

高瀬:あります! あります! 

おおた:全然達観してないから……。私たち作者も痛い痛いって思いながら描いている。そこが今日最大の共感ポイントでしたね(笑)。

さて、コミックは2月5日の夕方まで来ていますが一方で、黒木が主宰する無料塾の「スターフィッシュ」の動向も気になります。

高瀬:それもこのあとしっかり描きますから、楽しみにしていてください。

高瀬 志帆 漫画家

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たかせ しほ / Shiho Takase

代表作に『二月の勝者-絶対合格の教室-』(小学館)、『おとりよせ王子 飯田好実』(コミックゼノン/徳間書店)などがある。

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おおたとしまさ 教育ジャーナリスト

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Toshimasa Ota

「子どもが“パパ〜!”っていつでも抱きついてくれる期間なんてほんの数年。今、子どもと一緒にいられなかったら一生後悔する」と株式会社リクルートを脱サラ。育児・教育をテーマに執筆・講演活動を行う。著書は『名門校とは何か?』『ルポ 塾歴社会』など80冊以上。著書一覧はこちら

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