アマゾン「2代目」社長が遭遇する巨大な後始末 創業者ベゾスが残した問題が次々と…

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アマゾンのアンディ・ジャシーCEO(写真:The New York Times)

アンディ・ジャシーがジェフ・ベゾスの後任としてアマゾンのCEOに就任して約2年。この間、ジャシーは新型コロナのパンデミック中の積極的な拡大戦略やベゾスが残した問題の後始末に追われてきた。

彼は、とどまるところを知らない自社倉庫の拡張にストップをかけ、無秩序に広がる取扱品目を絞り込み、ベゾスが重視していた複数のプロジェクトに関わっていた従業員を大量に解雇した。

「第2世代トップ」の宿命

そして9月26日、ジャシーに新たな課題がもたらされた。かねて想定されていた連邦取引委員会(FTC)からの提訴である。アメリカ当局は、アマゾンが不正な手法でオンラインショッピング市場を独占し、それによって価格が釣り上がり、消費者の利益が損なわれたと主張している。訴訟の焦点となっている事業は、ジャシーが小売部門を掌握する以前に軌道に乗ったものだ。

ところどころ黒塗りで公開された訴状にはベゾスの名前が16回登場するのに対し、ジャシーは2回だけだ。

クセの強い創業者から困難なタイミングで巨大なビジネスを引き継いだテック大手のトップはほかにもいるが、ジャシーもその1人となった。そうしたほかの「第2世代」トップと同様、ジャシーの成功は、創業者のような先見の明を示せるかどうかだけでなく、ウォール街の投資家たちの懸念や規制当局の不信にどう対処するかによっても左右されることになる。

「彼は、ほかの誰かがつくり出した厄介事の後始末をしている」と話すのは、フォレスター・リサーチのアナリスト、スチャリタ・コダリだ。「しかも、アマゾンという船が沈まないようにしながら、それを行っている」。

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