アマゾン「2代目」社長が遭遇する巨大な後始末 創業者ベゾスが残した問題が次々と…

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規制当局との法廷闘争は不可避とみられていた。ベゾスから後継指名された段階で、FTCはすでにアマゾンの調査を始めていた。ジャシーが幹部を集めて反トラスト法問題についての説明を行ったことを、ニューヨーク・タイムズはこれまでに報じている。

CEOに就任した最初の年に、ジャシーは政府関係者と面会を重ね、上院議員、商務長官、ホワイトハウスの職員と会って、地に足のついた人当たりのよい人物として振る舞った。

パンデミックの恩恵を受けたのも束の間

投資銀行DAダビッドソンのアナリストで、20年以上にわたってアマゾンをウォッチしてきたトム・フォルテは、「彼は多くのことをこなしたが、今後もっと多くの仕事が待っているのは間違いない」と語る。

反トラスト法の事案を扱う部署を管轄するのは、ジャシーから2年遅れの1999年に入社した法務顧問デビッド・ザポルスキー。社を代表してアメリカ議会の公聴会に出席したアンドリュー・ディヴォアと、司法省の反トラスト部門を退職して4年前に入社したブライソン・バックマンがその脇を固めている。

2021年7月にジャシーがCEOに就任した当初、アマゾンは新型コロナのパンデミックの恩恵をたっぷりと受けていた。だが、加速した成長は間もなく壁に突き当たる。

ジャシーは、パンデミック禍での積極投資という「正しい決定をチームは行った」と語る一方で、自社倉庫の拡大に急ブレーキをかけるとともに、バージニア州北部で計画していた第2本社の最大区画の建設に待ったをかけ、2万7000人の従業員を解雇した。

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