アマゾン「2代目」社長が遭遇する巨大な後始末 創業者ベゾスが残した問題が次々と…
ビル・ゲイツがスティーブ・バルマーにマイクロソフトを引き継いだとき、同社は司法省から反トラスト法違反で提訴され、長い法廷闘争の渦中にいた。それと同時に、グーグルのような新世代のライバルが、オンライン広告やネット上で販売されるソフトウェアの力を背景に台頭しつつあった。
グーグルの親会社アルファベットでは、ラリー・ペイジがサンダー・ピチャイを後任に指名。当時社内では、セクハラや国防総省との契約など、さまざまな問題に対する怒りの声が上がっていた。
同社のビジネス手法も世界各地の規制当局の厳しい目にさらされるようになっていた。トップ交代から1年後には司法省がグーグルを反トラスト法違反で提訴。法廷闘争は先月始まった裁判でクライマックスを迎えている。
そして今、ジャシーが規制当局との闘いに直面する中、あるテレビ番組が「終わりそうにない夏休み」と呼んだアマゾンCEO退任後のベゾスの人生は、パパラッチによって執拗に記録されている。
ベゾスが残した法廷闘争
ジャシーがアマゾンに入社したのは1997年。ハーバード・ビジネス・スクールで最後の試験を受けた3日後だった。配属先は音楽部門だったが、当時、それはCDを売ることを意味していた。アマゾンはまだ小売企業に過ぎなかったのだ。
ジャシーはその後、クラウドコンピューティングサービスの大手プロバイダーとなり、アマゾンの重要な収益源となる「アマゾンウェブサービス(AWS)」を立ち上げ、経営陣に名を連ねることとなる。彼の顧客は消費者ではなく、テクノロジーサービスを必要とする法人だった。
FTCの訴状はAWSのサービスにはまったく触れていない。その焦点はAWSではなく、アマゾンの小売り事業の中核を担っていた、ほかの幹部がつくり上げたビジネスにあるが、そうした幹部の何人かはここ何年かで会社を去った。