――イベント・アトリビューションとはどのような研究手法ですか。
ここでいうイベントとは、異常気象のこと。アトリビューションとは「……のせいにする」という意味で、この場合は「地球温暖化のせい」であるということ。それを、シミュレーション研究によって証明しようというのがイベント・アトリビューションという手法だ。
たとえば、地球温暖化が今年夏の異常な猛暑などのイベントにどのくらいの影響を及ぼしたかということを、定量的に示すことを目的にしている。
私たちの研究では、「地球シミュレーター」と呼ばれるスーパーコンピューターを用いて大気モデルを使ったシミュレーションを実施している 。
そこに、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量やエアロゾルなどの大気汚染物質の変化といった人間活動による影響、エルニーニョ現象など海洋の状況などを「境界条件」として与え、いろいろな偶然が起こるような状態で、たくさんの数のシミュレーションをしている。
スピーディーな発表はなぜできたのか?
――今夏の猛暑についてはどうだったのでしょうか。
数多くのシミュレーションを実施すると、たとえ今夏に関連した境界条件を当てはめても、さまざまな偶然が重なることで冷夏になるケースも出てきた。そうした中で地球温暖化の影響を踏まえて今夏の猛暑が起こる確率がどのくらいあったかを「発生確率」として数え上げてみたところ、約1.65%という数字が出てきた。これがイベント・アトリビューションによる分析結果だ。なお、温暖化がなかった場合の発生確率はゼロとなった。
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