単純往復でもお得、JR「秋の乗り放題パス」活用法 遠方への旅行や「乗り鉄」以外も便利に使える

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ではこの3日分、どのように使えるか。首都圏と同様に使用例として、大阪にお住まい・または阪急や阪神沿線にお住まいで大阪からJRを利用する方がお出かけする場合を想定してみた。

1日目:敦賀で磯料理を堪能!
大阪―敦賀間往復4620円が2617円に(2003円おトク)
2日目:忍者の街を観光!
大阪―伊賀上野間往復3040円が2617円に(423円おトク)
3日目:ちょっと足を延ばして名古屋へ!
大阪―名古屋間往復6820円が2617円に(4203円おトク)

上記のコースだと、3日間総計で通常運賃なら1万4480円のところが7850円と、45%も安く済んでいる! なんと6630円もおトクだ。

新幹線を挟んだ前後の区間でも使える

JR東海ツアーズが販売している「ぷらっとこだま」などの格安新幹線乗車票は、新幹線区間の前後の在来線区間は別途切符購入が必要な場合が多い。こういった商品を利用する際も、秋の乗り放題パスは使える。

例えば東京圏での移動+ぷらっとこだま+関西圏での移動を想定し、宇都宮から東海道新幹線を介して姫路まで行くケースを想定してみよう。つまり、新幹線をはさんだ両側でパスを使うわけだ。

【通常運賃】
宇都宮→東京1980円<新幹線>新大阪→姫路1520円=在来線部分 計3500円
乗り放題パスなら2617円(883円おトク)

このように旅先でも同じ切符が使えて安くなるのは大変便利ではなかろうか。

いかがだったであろうか。この記事をご覧になられた今、秋の乗り放題パスは遠方への旅行目的でなくともけっこう使える切符であることがハッキリしたのではないだろうか。

秋の乗り放題パスはJR全線で使えるので、当然、その売り上げは路線のほとんどを赤字ローカル線が占めるJR四国や北海道にも、パスの購入者が実際に乗ったかどうか関係なく分配される。つまりは鉄道版ふるさと納税とも言えるものだ。都市圏内完結のお出かけであっても秋の乗り放題パスを活用すれば、自身の節約になるのはもちろん、JR四国や北海道の支援になり、高校生の通学手段や高齢者の足であるローカル線を守る一助にもなる。素晴らしいことではありませんか!

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北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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