年内の衆院解散は見送りか?「岸田首相の本音」 臨時国会で補正成立後も、経済対策に「一意専心」

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これに対し与党内では、「野党が補正予算案に強硬に反対すれば、予算成立後に年内解散をめぐって緊迫した展開となる」(閣僚経験者)との指摘がある。さらに、岸田首相が税収増の国民への還元策として「減税」を検討していることについては、森山裕総務会長が「税に関することは国民の審判を仰ぐ必要がある」と解散風を煽る発言をしている。

こうした状況も踏まえ、泉健太立憲民主党代表は2日、「(解散は)11月が線として最も太くなっているが、解散を出したり、引っ込めたりする首相なので何があるかわからない」と述べ、年内解散への警戒心を露わにした。

早期解散を煽る森山氏、疑問視する麻生氏

そこで、政治日程などから今後の政局展開を予測すると、岸田首相の解散断行には高いハードルが並ぶ。まず、臨時国会序盤の国会審議では、野党側が9月の内閣改造で初入閣した11人の閣僚を追及することが確実。昨秋の臨時国会と同様に、新任閣僚の政治と金のスキャンダル発覚や失言などが相次げば、「解散どころではなくなる」(自民長老)のは当然だ。

さらに、10月22日投開票の衆参2つの補欠選挙も、「その後の年末政局を占うカギ」(同)となる。参院徳島・高知選挙区は5日、衆院長崎4区は10日の告示となるが、現状では「与野党がっぷり四つでどちらに転ぶかわからない」(選挙アナリスト)との見方が多い。このため、「自民が2つとも圧勝なら解散論に弾みがつくが、両補選で苦戦するか、一つでも落とす事態となれば、一気に政権批判が強まる」(閣僚経験者)との声が広がる。

そうした中、年内解散を求めたようにみえる森山氏の発言についても、永田町関係者の間ではさまざまな見方が交錯する。

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