「減税」表明で迷走、岸田首相の不透明な解散戦略 解散時期は「来夏」と「総裁選後」の2択と首相周辺

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岸田文雄首相(写真:時事)

岸田文雄首相が政権運営の正念場を迎えている。10月20日の臨時国会召集に合わせて、「減税」実施を表明したが、具体化は与党の税制調査会に丸投げしたことで先行きは不透明。「すっかり定着した『増税メガネ』に過剰反応した」(自民長老)との指摘もあり、所信表明を受けた代表質問などで野党側から集中砲火を浴びている。

永田町では、突然の「減税」宣言を早期衆院解散への布石と受け取る向きも多く、岸田首相が確約した大型補正予算成立直後の解散断行による衆院選の投開票日を「12月17日」や「12月24日」と予測する向きもある。

しかし、各メディアの最新の世論調査で、岸田内閣の支持率は軒並み2012年の自民政権復帰以来の最低を記録。その影響からか、臨時国会召集直後の22日に実施され、いずれも与野党対決となった衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区の補欠選挙は「1勝1敗」となり、票差などから自民苦戦が際立った。

「余裕の笑顔」を振りまく岸田首相

これを受け、自民党内からは「早期解散などあり得ない」(安倍派幹部)との声が噴出。「このまま支持率が低迷し続ければ、岸田降ろしが始まる」(同)との指摘も多く、政権危機は拡大する様相となっている。

にもかかわらず、岸田首相は所信表明やそれに対する代表質問への答弁で「余裕の笑顔」を振りまくなど、人気お笑いタレントのような「とにかく明るい岸田」が際立ち、与党内にも「何を考えているのか」(同)との困惑が広がる。 

そこで注目されるのが、解散戦略も含めた岸田首相の「本音」だ。首相自身は24日夜のテレビ東京情報番組に出演した際、まず「先送りできない課題の処理に専念すること以外考えていない」と早期解散説を否定。そのうえで、来年9月の任期満了に伴う自民総裁選まで解散しない可能性についても初めて言及し「来年については、今は考えていない」と意味ありげに語った。

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