「減税」表明で迷走、岸田首相の不透明な解散戦略 解散時期は「来夏」と「総裁選後」の2択と首相周辺

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岸田首相のここにきての一連の言動について、周辺は「もともと首相の解散戦略は『来夏』と『総裁選後』の2択。しかも、3年の総裁任期全うを優先し、状況次第では総裁選直前の“勇退宣言”も視野に入れている」(最側近)との見方を示す。

そのうえで、岸田派幹部などが振りまく早期解散説を「求心力維持のための撹乱戦術」としたり顔で解説。このため、「岸田流戦略ににじむ権謀術数が、今後の政局の混乱要因になる状況」(自民長老)を招いている。

「不撓不屈」「粉骨砕身」と“覚悟”をアピール

岸田首相は23日午後、衆参本会議でそれぞれ行った所信表明演説の序盤で「経済、経済、経済」と連呼し、演説の随所で「変化の流れをつかみ取る」との表現を繰り返した。さらに、これまでも好んで使ってきた「明日は今日よりよくなる時代を実現する」とし、演説のハイライトとなる「はじめに」と「結び」では、「不撓不屈」「粉骨砕身」という時代がかった表現で「覚悟の強さ」をアピールしてみせた。

その際、不敵な笑顔も交え、高揚した表情で語る岸田首相に対し、議場内では与党議員が大きな拍手で称える一方、野党席からは「増税!」「遅い!」などの野次が飛び、騒然となる場面が相次いだ。

とくに、岸田首相が突然打ち出した「減税」について、所信表明では具体的内容に踏み込まなかったため、代表質問のトップバッターとなった泉健太・立憲民主党代表は「(与党に)所得税減税の検討を指示しながら、演説では『所得税減税』を入れなかったのはなぜか」と執拗に問い詰めた。

岸田首相は「与党で正式な議論も開始していない段階で、政府の考えとして述べることは控えなければいけない」と体をかわしたが、泉氏は「『経済、経済、経済』と言ったが、国民が望むのは、ことし中のインフレ手当の『給付、給付、給付』だ」と勢い込んで批判した。

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