中国不動産王の最期、許家印の「成り上がり」人生 「恒大帝国」の皇帝はなぜ破滅へ向かったのか?

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恒大の8月25日の発表によると、許家印は資金の不正流用に関連する文書にアクセスが可能で、保管をしており、さらに一部の文書には許家印の署名もあったという。

これについて許家印は「自分は恒大の財務と資金業務を直接担当しておらず、これらの文書も自分で精査していない」と反論した。また、「決済承認のために関連文書が上がってきた際は、責任者が署名をしている。自分はこうした幹部の監督能力を信頼しており、自身の署名はプロセスの一部にすぎない」とも主張している。

しかし元従業員は、「恒大社内で幹部が許家印に隠れて100億元以上の資金を不正流用する事件を起こすとは考えがたい」とコメントし、許家印の弁明には懐疑的であった。

許家印の犯罪行為と事件の関連は?

2023年6月から8月にかけて、株取引の再開要件を満たすため、恒大の上場企業3社はそれぞれ2021年から2023年中間期までの決算報告書を多数作成した。注目すべきは、この報告書に「収益の前倒し計上」という異例の会計処理が施されていたことだ。

中国では一般的に、開発業者が物件を開発前に先行販売する。その際に受け取る前受金は通常「契約負債」勘定に含まれる。住宅の引き渡し後に初めて前受金が営業収入に振り替えられ、利益が計上される。

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恒大はこれを前倒しで収益として計上することで、負債比率を大幅に低下させ、銀行からの融資を受けやすくしたとみられる。一方、監督管理委員会は複数の財務報告書に基づき、恒大の会計処理は大株主(許家印を含む)への迅速な配当分配に有利であると指摘した。

許家印の犯罪行為が上記の事件と関連があるかどうかは、今後、公式に発表される予定だ。

(財新記者:王婧)
※原文の配信は10月1日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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