中国の「戦争リスク」南シナ海で高まっている背景 フィリピンの「対中強硬策」で緊張は次の局面に

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カウシカンは、フィリピンが障害物を撤去していなければ、「紛争のリスクは高まっていた」という見方を示した。「そうしなければ、中国はさらに境界線を押し広げようという衝動に駆られることになるからだ」。

一方、フィリピンのニュー・マシンロック漁業者協会の会長レオナルド・クアレスマは、障害物が撤去された自治体に対し中国がどのような反応に出るか心配でならないと述べた。

「マシンロックにいて恐怖を感じるのは当然だ。紛争が起きた場合、最初に影響を受けるのは私たちなのだから」。クアレスマは「戦争が起こるのか、何が起こるのか、私たちには予測もつかないから難しい。とにかく不安だ」と話した。

南シナ海で起きていることはウクライナと同じ

フィリピン最高裁判所の元上級判事で南シナ海の専門家でもあるアントニオ・カルピオは、フィリピンはマレーシアやインドネシアが最近行った行動を模倣しているにすぎないと指摘した。これらの国々は、中国からの脅しにも関わらず、領有権問題を抱える海域の調査のために船を派遣していた。

「権利を主張して一歩も引かなければ、中国は何もしてこないだろう」と彼は付け加えた。

カルピオは、国際社会は南シナ海で起きていることに注意を払わなくてはならないと述べた。「ウクライナで問われているものと、南シナ海で問われているものは、まったく同じだからだ」。

武力による現状変更には「すべての国々が反対しなくてはならない」とカルピオは語った。「これはフィリピンだけでなく、世界の未来に関わる問題だ」。

(執筆:Sui-Lee Wee記者)
(C)2023 The New York Times

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