「日本でスタバ超え」狙うカフェチェーンの正体 池袋の直営店オープン初日には長い列ができた

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

同社によると、中国本社から数億円の予算を調達し、すでに新宿、浅草の出店準備に入っているほか、関西にも進出し、年内に30店舗を構える計画。

池袋の旗艦店など少数の直営店以外は地域ごとにフランチャイズ契約を締結し、短期間での規模拡大を図る。目標は2024年に日本で2000店舗出店。スターバックスの日本の店舗数は1846店(2023年6月末)なので、Cotti Coffeeは1年でスタバ超えを目指していることになる。

激安MIXUEは表参道に

今年夏には中国最大のティードリンクチェーン「蜜雪氷城(MIXUE)」も日本に進出した。ティードリンクは2010年代後半以降中国でブームが続く分野で、タピオカやフルーツとお茶を組み合わせたSNS映えするドリンクだ。

MIXUE 蜜雪氷城
表参道にあるMIXUEの店舗(写真:筆者撮影)

1997年に河南省鄭州市で生まれた老舗チェーンのMIXUEは、ティードリンクの高級化が進む中でも激安価格を維持し、いつのまにか2万5000店舗まで増えていた。この2年中国経済が減速するのと反比例して勢いを強める“デフレ銘柄”の代表的ブランドでもある。

激安がウリのMIXUEは「ガチ中華」の集積地である池袋、高田馬場(新宿区)に続き、8月には中華色のまったくない表参道(渋谷区)にも出店。いきなりの一等地進出に中国でも話題になった。日本での商品価格は中国より若干高いが、ソフトクリームは100円台、タピオカドリンクが300円台とお手頃だ。

蜜雪氷城 MIXUE
MIXUE表参道店に、オープンした8月21日に訪問した際は、商品の半分ほどが欠品だった(写真:筆者撮影)

中国の注目カフェチェーンが相次ぎ日本に上陸する背景には、自国市場の競争激化がある。

中国ではZ世代をターゲットにしたティードリンクとコーヒーの新ブランドが次々に生まれ、新興と老舗が入り交じって商業施設のテナントスペースを奪い合っている。

コーヒーチェーンを例にとると、コーヒー豆にこだわったManner Coffee、M stand、中国IT大手のテンセントから出資を受けるカナダのティム・ホートンズ(Tim Hortons)などがスタバ、ラッキンの後を追い、ブルーボトルコーヒーも昨年上海に出店した。ティードリンクのブランドは、覚えられないほど多い。

ショッピングモールを歩くと、1つのフロアに似たような店がいくつも並んでいる。中国のカフェ市場は今後も伸びると言われているが、現在の消費者は都市部の20~30代に偏っており、大都市のよい立地は既存チェーンに押さえられている。

上海の中心部でラッキンのアプリを開いて近隣店舗を検索したところ、400メートル以内に4店舗も見つかったが、Cotti Coffeeは徒歩圏になく、一等地の場所取りで苦戦していることがうかがえた。

Cotti Coffee ラッキンコーヒー
Cotti Coffeeの上海の店舗(写真:筆者撮影)
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事