環境関連企業の売掛金が増加し続けている背景には、業界で広く採用されている「PPP(官民パートナーシップ)」形式のビジネスの決済方法がある。元請けが事業を受注して、(複数の)下請けに再委託するビジネスモデルにおいて、個々の工事費用は通常、直接担当する企業が費用を立て替えておき、代金は後払いとするのが業界の慣行だ。
経済情勢が悪化すると、発注元からの支払いは計画どおりには実行されなくなり、元請け企業も往々にして立て替え払いを嫌うので、多重的に未払いが発生、現場の企業であればあるほど工事代金の回収は難しくなる。
政府予算、コロナ対策のしわ寄せも
華創証券は8月21日に発表した調査レポートの中で、2022年に広東省環境保護産業協会が発表した「広東省環境保護企業工事代金未払い状況調査報告」内のサンプル調査結果を紹介している。それによれば、未払い問題を起こした発注元は政府部門が全体の55.8%を占めた。未払いの原因は「政府の建設予算がおりてこなかったため」が最多で、次に「工事案件の延期」「工事の検収遅延」「財務審査の遅れ」などが続く。
2020年から2022年までの新型コロナウイルス流行期には、中国の中央政府と地方政府は財政面で防疫対策を優先したため、省エネ関連や環境関連の支出が大幅に削減された。その影響はいまだに続いている。
(財新記者:鄒露、王婧)
※原文の配信は9月7日
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