アフリカのギニアで進められている世界最大級の鉄鉱山開発プロジェクトに、新たな進展があった。世界最大の鉄鋼メーカーである中国の宝武鋼鉄集団が、開発主体の企業コンソーシアムに正式に加わったのだ。
シンガポールの海運コングロマリットのウィニング・インターナショナルと中国の民営アルミ大手の中国宏橋集団が主導するウィニング・コンソーシアム(WCS)は9月5日、宝武鋼鉄集団の子会社の宝武資源とギニアのシマンドゥ鉱山の開発に関する投資協力協定に署名したと発表した。
シマンドゥ鉱山は未開発の鉄鉱山としては世界最大級の規模を持ち、鉱石の鉄含有率は平均65.5%に上る。本格稼働の暁には年間1億2000万トンの鉄鉱石の生産を見込み、グローバルな鉄鉱石市場の構図を一変させる可能性を秘める。
1年前から参画方針を表明
同鉱山は4つの鉱区に分かれており、WCSは北部の第1鉱区と第2鉱区の開発権益を保有する。宝武鋼鉄集団は1年前の2022年9月からWCSへの参画方針を対外的に明かしていたが、正式合意には至っていなかった。
「今回の協定により、WCSと宝武鋼鉄集団の戦略的パートナーシップが明確化された。われわれがシマンドゥ・プロジェクトで成し遂げてきた進展が、さらに加速することになるだろう」。WCSは声明のなかでそう期待を示した。
シマンドゥ鉱山の開発コストは、総額150億ドル(約2兆2084億円)に上ると試算されている。前述の第1鉱区と第2鉱区の開発事業体にはWCSが85%、ギニア政府が15%を出資している。
一方、南部の第3鉱区と第4鉱区の開発事業体には、英豪資源大手のリオティントが45.05%、中国の国有アルミ大手の中国鋁業集団(チャイナルコ)を中心とする中国企業連合が39.95%、ギニア政府が15%を出資。そのうち中国企業連合には宝武資源も参画しており、宝武鋼鉄集団はシマンドゥ鉱山の全鉱区に足場を築いた格好だ。
(財新記者:羅国平)
※原文の配信は9月6日
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