アリババ元会長「クラウド事業CEOも退任」の驚き 退任後は「パートナー」として新ファンド運営へ

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張勇氏の退任で、アリババ・グループの経営は創業時からの古参メンバーの主導権が強まりそうだ(写真は同社ウェブサイトより)

中国のEC(電子商取引)最大手の阿里巴巴集団(アリババ・グループ)の張勇(ダニエル・チャン)氏は9月10日、同社のクラウド部門、アリババ・クラウドの董事会主席兼CEO(会長兼最高経営責任者)を退任し、グループの事業部門の役職からすべて退いた。

6月20日の時点では、アリババ・グループの董事会主席兼CEOを9月10日付で退任し、その後はクラウド部門の経営に専念すると発表していたが、方針転換した格好だ。クラウド部門の新たな董事会主席兼CEOは、9月10日付でアリババ・グループCEOに就任した呉泳銘(エディー・ウー)氏が兼務することになった。

張氏は退任後、未来志向のテクノロジー・ファンドを設立する。また、アリババ・グループの(事実上の最高意思決定機関である)「パートナーシップ」のメンバーには留任する。

9月10日付でアリババ・グループの董事会主席を張氏から引き継いだ蔡崇信(ジョセフ・ツァイ)氏は、同日、全従業員宛てメールの中で、アリババが未来のテクノロジー構築に向けて、張氏の新ファンドに10億ドル(約1478億円)を投資し、サポートすることを決定したと伝えた。

「クラウドの父」が役員会復帰へ

張氏はアメリカの会計事務所のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)などを経て2007年にアリババ入りしたが、クラウド部門のトップを務めた期間は3四半期(9カ月)にも満たない。

2022年12月29日、張氏は全社員宛てメールで、アリババ・クラウドの総裁(社長に相当)を4年余り務めてきた張建峰氏が退任し、自身が後任となることを発表。しかし張氏はIT畑ではなく、クラウド部門の新経営陣も就任から日が浅いことから、その経営手腕を慎重に評価する声もあった。

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