2位にランクインしたのは自転車の変速機やブレーキ部品で世界トップシェアのシマノ。第2四半期の営業利益進捗率は77.0%で、過去3年平均の43.2%を33.8ポイント上回った。
ただ、同社は7月25日に2023年12月期の第2四半期と通期の業績予想を修正。期初予想に対して第2四半期は上振れた一方で、欧州の完成車メーカーの在庫調整が想定より厳しく、下期の需要回復が遅れる見通しとなったため、通期は営業利益830億円としていた予想を700億円に引き下げている。今年後半の需要が想定をある程度上回って推移すれば、前半の貯金が効いてくる期待もできそうだ。
3位はビーロットで、中古不動産を仕入れて改修や建て替えなどで価値を高めて売却する不動産投資開発を主力事業とする。今期は住宅系不動産を中心に物件売却が順調に進み、第2四半期の営業利益進捗率は62.3%と、過去3年平均の進捗率29.3%を33.0ポイント上回った。
再生物件の売却が好調な一方で、ホテルや太陽光発電設備など収益性が高い物件を対象に、販売用不動産から賃貸用不動産に切り替えることでストック収益の拡大も図り、収益構造の安定化も進めている。
足元の勢いが続くのかどうかに注目
4位に入ったのは、スマートフォンや車載カメラに使う光学薄膜装置の製造・販売を手がけるオプトラン。第2四半期の営業利益進捗率は77.5%で、過去3年平均の45.1%を32.4ポイント超過している。
特にスマートフォン用カメラの高機能化を支える好採算のALD(原子層堆積)装置が伸びて業績を牽引。一方で販管費は計画内の水準だったこともあり、営業利益が積み上がった。四季報・秋号では、今2023年12月期の会社計画の営業利益86億円に対して、四季報予想は営業利益100億円と独自増額している。
アフターコロナへの移行が本格化する中で、外出や行楽需要の回復といった世界的な消費動向の変化や、原燃料高をはじめとする根強いインフレ圧力など、企業を取り巻く事業環境の不安定な状況が続く。今期業績が上振れそうな企業を探すには、進捗率に加えて、足元の勢いが続くかどうかを業態や各事業の状況と合わせて分析することがより重要になっている。
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