軽EV「サクラ/eKクロス EV」1年で受注5万台の意味 手頃な車体価格と維持費で電気自動車を身近に

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サクラのインテリア
サクラのインテリア(写真:日産自動車)

ワンペダル操作に否定的な人の多くは、アクセルペダルの操作があらく、戻す際にパッと急に右足を戻してしまうので、回生が強く働きすぎてギクシャクした走りにしてしまっている。ワンペダル操作を上手に行うには、踏み込むときも戻すときも、右足の動きをゆっくりするのがコツだ。そうすれば、たとえばカーブの手前で速度を落としたいときも、ペダル踏みかえをせず、ゆっくり右足を戻していけばカーブを曲がるのにちょうどよい速度に調節できる。

万一、突発的な危険が迫ったときは、逆にパッと右足を引いてアクセルを全閉にすれば、グッと強い回生が働き、減速してくれる。同時にブレーキペダルへ踏みかえれば、より手前でクルマを停止させることができるはずだ。

高齢者のペダル踏み間違い事故の多くは、右足を踏み替えたはずなのに、アクセルをもう一度踏み込んでしまったということだろう。エンジン車では、パッとアクセルペダルを戻しても急減速しにくいが、EVなら回生によって急減速し、そこで気持ちも少しは落ち着き、的確にブレーキペダルを踏めるのではないかと私は考えている。緊急事態に直面したとき、自らを振り返る一瞬をもたらすのが、EVでのワンペダル操作だ。

ワンペダル操作は航続距離にも関係する

サクラのサイドビュー
サクラのサイドビュー(写真:日産自動車)

いずれにしてもこうしてワンペダル操作を身に付けると、日常的に回生を最大限活用できるため、バッテリーへの充電も促進され、それが一充電走行距離の延長にもつながることになる。

このため、カタログ数値上のサクラとeKクロス EVの一充電走行距離は180kmだが、実用状態で200km近く走れる可能性も出てくる。実際、私も日常や取材の足としてサクラに乗っているが、ワンペダル操作を利用すると、実用での平均電力消費量は現在10.2km/kWhなので、車載の20kWhバッテリー充電量から試算すると、204km走れる計算になる。

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