スバルではレヴォーグ レイバックのターゲットユーザーを「都市型SUV、クロスオーバーを志向する人」と定める。
見方を変えると、日本ではほぼ競合がいなくなったステーションワゴンというカテゴリーで、走り味をスバルらしいスポーティな方向に振っているレヴォーグの価値を継承し、SUVへと進化させたということになる。
パワートレインは、レヴォーグから継承される1.8リッターターボのみで、発売当初にハイブリッド車の設定はないという。
「極めてしなやか」だが「万人向け」ではない走り
静止した状態でレヴォーグ レイバックを眺め、そして商品企画に関する文書を見る限り、正直なところ「商品企画上の理屈はわかるが、どういうクルマなのか、つかみにくい」という印象を持った。
ところが、走り出してみると、筆者のレヴォーグ レイバックに対する印象は一変した。走り味と乗り味をひとことで言えば、「極めてしなやか」である。
ステアリング/アクセル/ブレーキのそれぞれにおいて、ドライバーの操作とクルマの動きとの「つながり感」が極めて高いレベルにあるのだ。コーナーでは、どのようなタイミングでブレーキを踏み、またハンドルを切り始めても、安心感があり実に「すっきり」している。
多くの人にとって「乗りやすい」味付けだといえるが、決して「万人向け」という表現は当てはまらない、高度な仕上がりだ。「極めてしなやか」なことで、結果的に「速く走れる」とまで言えるほどである。
スバルの現行ラインナップであるレヴォーグ、インプレッサ、クロストレック、フォレスター、アウトバック、BRZ、そしてBEVの「ソルテラ」と比べて、レヴォーグ レイバックの走りの味わいは、はっきりと違う。
まさに、冒頭で記したとおり「これまでのスバルにはない、独自の世界観」が生まれたといえる。
近年、自動車メーカー各社はSUVやセダンなどで、走行中の「クルマの動きのつながり」を重視しているが、レヴォーグ レイバックはそれらとは「別の世界観」だ。
レイバック(=のんびりする)と命名したとおり、ゆったりとした気持ちでシートにくつろぎながらも、高い次元の走りを満喫できる。
ベースであるレヴォーグでは、ワゴンとしての走りのキレの良さを徹底的に追求した。それをベースとして、単純にマイルドな感覚、またはソフトな乗り心地にしたというイメージではない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら