慶応野球部「新旧2人の監督」が起こした地殻変動 「エンジョイ・ベースボール」に30年の試行錯誤
「時代が動いている」と感じる
森林監督は、甲子園での優勝インタビューで、こう話した。
「高校野球の新しい姿につながるような勝利だったのではないか」
2006年に私の著書『マイナーの誇り』が出版された当時、以前から知り合いの香川県の高校の野球部長から連絡があった。
「革命的すぎて、香川の田舎ではなかなか受け入れられない」
その出版から17年が経つ。決勝戦の前日、上田氏と電話で話した。
「あのころは真剣に受け止めてもらえなかったけど、最近になって坊主じゃない高校も増えてきたし、選手とフラットな関係の監督も多くなった。時代が動いているな、と感じるよね」
1991年に監督に就任した上田氏に始まった「エンジョイ・ベ―スボール」の試みは森林監督に引き継がれ、30年の時を経て選手たちが花を咲かせたことになる。
高校野球では、確かに地殻変動が起きている。
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