慶応野球部「新旧2人の監督」が起こした地殻変動  「エンジョイ・ベースボール」に30年の試行錯誤

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「時代が動いている」と感じる

森林監督は、甲子園での優勝インタビューで、こう話した。

「高校野球の新しい姿につながるような勝利だったのではないか」

2006年に私の著書『マイナーの誇り』が出版された当時、以前から知り合いの香川県の高校の野球部長から連絡があった。

「革命的すぎて、香川の田舎ではなかなか受け入れられない」

その出版から17年が経つ。決勝戦の前日、上田氏と電話で話した。

「あのころは真剣に受け止めてもらえなかったけど、最近になって坊主じゃない高校も増えてきたし、選手とフラットな関係の監督も多くなった。時代が動いているな、と感じるよね」

1991年に監督に就任した上田氏に始まった「エンジョイ・ベ―スボール」の試みは森林監督に引き継がれ、30年の時を経て選手たちが花を咲かせたことになる。

高校野球では、確かに地殻変動が起きている。

辰濃 哲郎 ノンフィクション作家

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たつの てつろう / Tetsuro Tatsuno

1957年生まれ。慶応義塾大学法学部を卒業後、朝日新聞社に入社。支局、大阪社会部を経て、東京社会部で事件担当や遊軍キャップ、デスクなどを務める。2004年退社。主な著書は『ドキュメント マイナーの誇り―上田・慶応の高校野球革命』 『海の見える病院 語れなかった「雄勝」の真実』、共著は 『歪んだ権威 密着ルポ日本医師会~積怨と権力闘争の舞台裏』 『ドキュメント・東日本大震災 「脇役」たちがつないだ震災医療』。佼成学園高校で甲子園に出場。慶応大学では投手だった。関連して著書に『ドキュメント マイナーの誇り・上田慶応の高校野球革命』がある。

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