「大谷の靭帯損傷」2度の手術受けた選手のその後 トミー・ジョン手術に踏み切っても大丈夫なのか

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成功例ばかりではない。10年にマーリンズで防御率1位に輝いたジョシュ・ジョンソン投手(39)は、07年に1度目、14年に2度目の手術を受けた。06年に12勝を挙げてブレークしたが、翌年にシーズン中に初の手術。ただし、08年には7勝を挙げて復活。09年には15勝、10年には11勝で2年連続オールスター出場を果たした。11年は3勝に終わったが、12年には8勝。191イニング1/3を投げて再復活した。13年にはブルージェイズに移籍して2勝8敗の成績を残したが、14年には2度目の手術に至った。この後、メジャー登板することなく引退した。

◆1度目から2度目の手術間は、通算131試合で46勝35敗、防御率3・38。

◆2度目の手術から現在は、登板なし。

ジョンソン以外にも、通算41勝(2度目の手術後は7勝)のクリス・メドレン、通算25勝のジャロド・パーカー(2度目の手術後は登板なし)ら、2度目の手術後に低迷した投手は少なくない。

「2度目の手術の復帰率は50%」

複数回手術を受けた選手の手術間の平均年数は、ジョン・ローゲル氏のデータベースによると4・7年。大谷が18年以来の手術に至れば、ほぼ平均的な間隔となる。

先日、トミー・ジョン手術の第一人者、慶友整形外科病院の古島弘三副院長は「アメリカの論文では、2度目の手術の復帰率は50%ぐらいとなっている」と話していた。

また、保存療法の1つでPRP(多血小板血漿=けっしょう)治療についても聞いたが「PRPは効果がないと思う。切れたところが治る、移植した再建靭帯がつながることは、PRPでは無理です。除痛効果は多少あると思うが、それだけで、根本的治療としては1度手術している人には、あまり効果がないと思う。ただ、靱帯ではなくて、前腕の筋肉や屈筋群、肘の内側についている筋肉の炎症であれば、PRPの効果はある」と話していた。

どういう結論になるか分からないが、こうした事例を念頭に置いておきたい。

(斎藤直樹)

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