旅行予約サイト最大手でまさかの「入金遅延」騒動 ブッキングドットコムの周知不足にホテル困惑

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だがあるホテルチェーンの一部店舗では8月2日になってもブッキングドットコムからの入金がなく、29日現在でも入金がない。ブッキングドットコムからは「順次対応しており入金日についてはお答えできません」と回答されたという。

今回の件を宿泊施設はどうみているのだろうか。「われわれは宿泊以外にも宴会やレストラン部門の売り上げがある。ブッキングドットコムからの支払い遅延は確認しているが、影響はない」と大手ホテルの幹部は指摘する。一方で、「インバウンド比率が高い宿泊特化のペンションや旅館は影響が大きいのではないだろうか」とみる。

世界での登録宿泊施設数は2800万軒、日本では3万6249施設が登録(画像:ブッキングドットコムのHP)

「システムメンテナンスをすることはあるが、宿泊施設への支払いが遅延するという話は聞いたことがない」と、ある日系の大手OTAの幹部は指摘する。なぜブッキングドットコムの支払い遅延が発生したのか。

資金ショートなどの経営難の可能性は?

支払い遅延と聞くと、資金ショートなどの経営難の可能性がまず想起される。だが、同社の決算書類を見るとそれはなさそうだ。ブッキングドットコムを運営するBooking Holdingsが8月3日に発表した決算によれば、6月30日時点での現金及び現金同等物は、2兆1400億円ほど。手元資金は潤沢といえる。

業績も好調だ。同社の1〜6月の売上高は約1兆3500億円(前年同期は約1兆円)、純利益は約2300億円(同約230億円)と前年同期を大きく上回る。

資金面で不安のない、ブッキングドットコムが支払い遅延を起こした理由について、「メンテナンスが伸びたことで、支払いの遅延が発生した」と大畑氏は説明する。今回行った決済システムメンテナンスは、同サイトで最大の規模だったことも、想定外の遅れが生じた要因だ。現時点では、メンテナンスは終わり、順次支払いを進めているという。

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