なぜか人に好かれる「聞き上手さん」がしている事 まず大事なのは、必要以上にしゃべりすぎない

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聞き上手になるためにまず大事なのが、しゃべりすぎないことです。

みなさんは「沈黙は金、雄弁は銀」という言葉をご存じでしょうか? これは、沈黙には優れた弁舌以上に価値があるという意味のことわざです。

もちろん、発言を求められたとき、きちんと意見や要望を表明しないと、相手に自分の権利を侵害されてしまうようなときなどは、沈黙より雄弁のほうが価値があるでしょう。しかし、他者との会話においてはやはり沈黙に価値があると私は思います。

途中で余計な口を挟まれるより、相手が静かに聞いてくれたほうが、話し手にとって話しやすいのは、言うまでもありません。聞き手側も、沈黙を貫くことで、「あの話もしたい、この話もしたい」「何か言わなきゃ」といった気持ちから解放され、相手の話に集中することができ、理解度が高まります。

また、人と話しているとき、必要以上に口を開かない人は、他人に安心感を与えますし、そのような人が発するちょっとした一言は、それが実はさほど大した内容ではなくても、何か「熟慮の末の一言」といった説得力を感じさせます。

逆に、よく話す人は、頭の回転が速い人、知識が多い人、面白い人という印象を与えることもありますが――、それはあくまでも、本当に頭の回転が速く、知識が多く、話術が巧みな場合に限ります。そうでない場合は、相手の話の腰を折るだけ、物事を深く考えていないことを露呈するだけ、面白くない話を延々と聞かせるだけ……になってしまうこともしばしばあります。

中には、自分自身もしゃべりつつ、相手の話を引き出し、膨らませるのがうまい人もいますが、そういう人は話し上手であると同時に聞き上手です。

頭の回転が速く、相手の話を瞬時に理解し、深掘りできる点や新たな情報を追加して、面白くわかりやすく提示する、といったフローを脳内で一瞬で行うことができる、特殊技能の持ち主だといえるかもしれません。

大切なことはバーが教えてくれた

かくいう私は昔、沈黙の価値があまりわかっていませんでした。

もともと、人の話を聞くのも好きなほうではありましたが、子どもの頃は、親からたびたび注意されるくらいおしゃべりでしたし、どちらかというと、頭の回転が速く、弁舌さわやかで目立つ人を優れた人、寡黙な人を地味な人ととらえていました。

加えて20代前半までは、会議でも打ち合わせでも日常会話でも、「何かしら発言しておかないと、自分がここにいる意味がなくなる」という思いにかられ、わざわざ言わなくてもいいことを言って会議の時間を無駄に延ばしてしまったり、非常に浅い発言をし、自分の愚かさをさらけだしてしまったりしたこともしばしばありました。

そんな私が、沈黙の大切さに気づくきっかけになったのは、20代半ばから、週末だけ、バーでアルバイトをするようになったことでした。

ちなみに、当時働いていた会社は副業禁止だったはずですが、ある日なぜか突然、バーでアルバイトをしようと思い立った私は、行きつけのお店に働かせてほしいと頼みこんだのです。

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