いかがでしょうか。SDS法とPREP法の2つが紹介されていましたね。いずれも最初に要点を述べ、ポイントや理由などを挟んで、もう一度要点に戻るという流れです。
どちらも最初に結論を述べて、その結論の補強をし、そしてもう一度結論を述べるという流れであることは変わりがありません。「―――だから、いいと思う」というのではなく、「いいと思う。―――だからだ。ということで、こうしたほうがいい」と説明していくわけですね。
慣れないうちは、型に従った構成を考えながら話すのは難しいかもしれませんが、繰り返しやっていくうちに自然と意識ができるようになるはずです。勉強やスポーツなどで、反復すれば勝手に体が反応するようになるのと同じですね。
私も昔は苦手でしたが、東大の記述問題や英作文の練習を繰り返すうちに、だんだんと論理的に話を進める型が身についていきました。
感動した映画を、どう友人に勧める?
さて、ここで試しに1つ、簡単な練習をしてみましょう。みなさんが最近観て感動した映画を、友達に勧めるというシチュエーションを考えてみてください。どんなふうに説明したら、相手に「じゃあ観てみよう」と思ってもらえそうでしょうか?
もし理屈抜きで「この前○○って映画観たけど、あれ絶対観たほうがいいよ! マジで感動したから!」という説明で終わっても、自分が感動したという事実は伝わると思います。ですが、これだけで「じゃあ観てみるよ」と言ってくれそうなのは、よほど仲がよい人に限られるでしょう。
これに対して、
「この前○○って映画観たけど、あれ絶対観たほうがいいよ! 自分も頑張ろうって勇気をもらえるから。主人公が挫折を乗り越えて成長する姿には共感しかないし、映像美と音楽が見事なうえに、ラストシーンでは自分も含めてみんな感動で泣いてたよ。マジでおすすめ!」
という説明なら、相手の印象が全然違うと思いませんか? 「そんなに言うんなら、観てみようかな」と感じてもらえそうですよね。この例では、先ほどあったPREP法を使っています。
R:観たら勇気をもらえるから
E:①主人公の姿に共感 ②映像美と音楽の良さ ③感動のラストシーン
P:だから観たほうがいい
といった構成になっていますね。特に具体例(E)の部分は3つあるといちばん説得力が増すと言われています。こんなふうに型を使うだけで、誰でも簡単に論理的な説明ができるようになるでしょう。
考え方の異なる人に自分の意見を伝えるには、やはり論理性が必要になります。理屈ゼロ、感情オンリーで「私はこう思う!」と押し通すのは無理があります。筋道を立てて話すことで、納得してもらえる可能性が上がるのは間違いありません。ぜひみなさんも実践してみてください。
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