第42代アメリカ合衆国大統領のビル・クリントン、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス、グーグル元CEO(最高経営責任者)のエリック・シュミット、ChatGPTを開発したOpenAIのサム・アルトマンCEO――このそうそうたるメンバーが参加するアメリカ発の起業家コミュニティーがある。その名も「サミット」。
2023年8月30日に刊行された『MAKE NO SMALL PLANS 人生を変える新しいチャンスの見つけ方』は、4人の無名な “ビジネスのど素人”だった若者が、失敗と無茶を繰り返しながらサミットを立ち上げる過程を描いた、波瀾万丈のノンフィクションだ。
今回は同書から、サミットがイベント会社から永続的なコミュニティー作りを目指す会社に転換するターニングポイントとなった場面を紹介する。
コミュニティー作りでいちばん大事なこと
ザッポス(編注:アメリカのオンライン靴小売企業)のトニー・シェイが僕たちのところに来て、シンプルにこう尋ねた。
「このイベントで、君たちが実家に食事に招きたくないと思う人はいる? その人の個人的な成功とか仕事での活躍は別にしてだけど」
「ええ、何人かはいます」と僕たちは答えた。仕事では成功していても、この部屋にいるみんなが価値観を共有しているわけじゃない。僕たちはホワイトハウスから提供された、政権の価値観を反映する人たちのリストと格闘しつつ、自分たちで接触した人たちを少し加えていた。
「そういう連中は、君たちがこの先築いていくものには参加できないね」とトニーは言った。「コミュニティーを築こうと思うなら、いちばん大事なのは君たちのカルチャーだ」
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