70年代生まれ、イギリス「国鉄型特急」第2の人生 首都からは消えたがスコットランドで復活
HSTには、イギリス版の「ドクターイエロー」といえる計測用列車(New Measurement Train=NMT)になった編成もある。現地での愛称は「フライング・バナナ」。全国で1編成しかないことから、一度は写真に収めたいというファンも多い。ただ、2023年夏現在、機関車の色彩が同車両を運用するコーラス(Colas)レールのロゴとなっており、編成全体が黄色ではないのが残念だ。
「フライング・バナナ」は2両の機関車に客車「Mark 3」5両をはさんだ編成だ。資料によると、試験装置を搭載した客車は2両のみで、他の客車はブレーキの制動力を得るために必要と説明されている。
中古車再利用でサービス向上
スコットランドの面積は想像以上に広い。例えば、エディンバラからインバネスまでは3時間半~4時間もかかり、乗客サービスの点で乗り心地の良さが求められる。「Mark 3」は5時間以上の所要時間が想定される区間を走っていただけあって、近郊型車両で長時間の運行を余儀なくされていたスコットレールにとっては、中古とはいえHST導入はまたとない車両更新のチャンスだったといえるだろう。
1970年代の車両を改良し、営業運転用に甦らせたイギリスの鉄道界。低コストでサービス向上を図るのに、必ずしも新造車両の導入だけがアイデアではないことを物語っている。スコットランドでの”再雇用”に当たっては、排気ガス対策を踏まえたエンジンを搭載した機関車が用いられているという。こうした車両が1日でも長く営業運転の場にとどまることを期待したい。
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