沖縄「ブルーシールアイス」原料を変えた深いワケ 「沖縄人気を背景に右肩上がりで伸びてきた」
また同じ頃、「沖縄の人の人生に寄り添うブランド」を目指し、夏休み前の最後の日に県内の幼稚園や小学校、約5000学級の子どもに食べてもらう取り組みを始めた。「夏休み前の一番ワクワクする気持ちとともに、ブルーシールを思い出にしてほしい」との意図がある。
保冷梱包、学校への配送などは社員一同が手作業で行う。生徒が満面の笑みになり、窓から手を振ってくれる子もいる。社員にとっても元気をもらえる特別な日だそうだ。
「ポーラーベアー」「ブルーシールカップ」等、コンビニ、スーパーで販売する小売の商品を充実させたことも、身近なブランドとしてのイメージ強化に役立っている。
なお2023年の3月、牧港本店が改装のため一時閉店したが、閉店までの1カ月で5万人にも及ぶ来店客からの寄せ書きが集まったそうだ。
「その中には、子どもだった頃に親に連れられてきた方が、成長して夫とデートで、さらには子どもを連れて、今は孫と来ていると、4世代にわたって利用してくださっているという寄せ書きもあった」(山本氏)
地元客を取り込んでいくための「原点回帰」
以上のように、長年にわたる取り組みは同社を支えてきたが、一方で、コロナ禍の打撃で「それだけでは足りない」ことも明らかになった。そこで山本氏がとった対策が2つある。
1つが原点回帰。これまでも沖縄県民のための活動は続けてきたが、受け身に徹していた。地元客を取り込んでいくための積極的な「ウチナンチュー(沖縄の方言で『沖縄の人』)シフト」が必要と感じたのだ。
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