インバウンド客相手にボロ儲けする悪い奴ら 利益丸ごと価格転嫁から偽ブランド品販売まで

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「沸騰するインバンド、復活するナイトタイム」特集バナー
コロナ禍の沈静化で正常化に向かう日本経済。さらなる飛躍のキーワードである「インバウンド」と「ナイトタイム」の実態を探る
新型コロナウィルス感染症の沈静化に伴って、日本を訪れるインバウンドが急増している。そうした訪日観光客は地方に、そして夜の街に足を伸ばすなど、コロナ前と大きく姿をかえている。『週刊東洋経済』の8月21日(月)発売号(8月26日号)では、「沸騰するインバウンド 復活するナイトタイム」を特集。実態とともに、インバウンドを取り込むノウハウなどをお伝えする。
週刊東洋経済 2023年8/26特大号(沸騰するインバウンド 復活するナイトタイム)[雑誌]
『週刊東洋経済 2023年8/26特大号(沸騰するインバウンド 復活するナイトタイム)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

「おい! これじゃうちの儲けが少ないじゃないか。もっと価格を引き上げておけ!」

ある企業の社長は、部下をそう怒鳴りつけた。

「とはいっても、これでも他社と比べて十分高いんですけど……」

蚊の鳴くような声で答える社員に、社長はさらに畳みかけた。

「いいんだよ。少々乗せたところで金持ちにはわからないんだから。もう100万円くらい乗せておけ」

怒鳴られた社員は罪悪感を持ちながらも、社長から言われたとおりの見積もりを渋々作成したという。

会社は儲かるがモラルが崩壊

これは、海外の富裕層を相手に、旅行をはじめとするさまざまなサービスを提供する企業の一コマ。中東の顧客から「旅行で日本に行きたい」との依頼が来たため、その見積もりを作成していたのだ。

中東の顧客ということもあり、この社員は相場より高めの金額で作成したのだが、それでもまだ安いといって怒られたわけだ。

「いくら相手が富裕層といっても、こんなことでいいのだろうか。出したい利益を初めに決めておいて、それを丸々乗せているのだから。通常のビジネスなら、ここまで頑張ってディスカウントしますというのが普通のはずなのに」と社員はため息をつく。

次ページ狙われているのは富裕層の訪日観光客だけではない
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