なぜ日本だけ「統一教会問題」被害が大きいのか 「1970年代半ばから90年代初め」にかけて集中

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文部科学省は、統一教会が解散命令請求の要件にあたるかどうかの検討を続けています(写真:Ystudio/PIXTA)
安倍元首相殺害事件に端を発し、統一教会の人権侵害と不法行為が露わになり、それを支えてきた政治家たちとの関係が問われるようになった。多くの事実関係が明らかになっているが、このような事態が生じるに至った歴史的経過については必ずしも十分に示されてきたとは言えない。同時に、統一教会は世界各地に広がっているが、日本以外では大きな被害が生じたことはない。どうしてこのような事態が生じたのか。
「解散命令」の可能性も含め日々報道がなされている「統一教会問題」を、歴史的・国際的文脈から多角的に論じた『これだけは知っておきたい 統一教会問題』の編者で宗教学者の島薗進氏が解き明かす。

統一教会問題の広がり

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解散命令が求められるような教団だから悪を具現したような存在と決めつけてよいのか。日本の宗教史から見ていくと、社会からの激しい非難を浴びた教団の処遇というと、戦前の大本のように「宗教弾圧」という視角から捉えられた時期が長かった。1995年にオウム真理教地下鉄サリン事件が起こって、「危険な宗教の取り締まりは当然」というような考え方が主流になっているようだが、それよいのだろうか。

宗教2世の窮状が問われているが、宗教団体に属する家庭で育った子どもたちが一様に苦難を負っていると捉えることでよいのだろうか。また、統一教会がジェンダー・バックラッシュを進める宗教団体の代表のように扱われているが、それは妥当だろうか。宗教団体の家族重視の姿勢は広く見られるものであって、とくに際立ったものではないのではないか。広く新宗教にも家族を重んじる考え方は見られるのではないか。

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