徹底解明、宮﨑駿「君たちはどう生きるか」の謎 すべての登場人物やシーンには元ネタがある

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映画『君たちはどう生きるか』は事前の宣伝なしでも大ヒット(写真:時事)

宮﨑駿監督としては、およそ10年ぶりの長編新作となる『君たちはどう生きるか』が7月14日に公開された。

この作品は、事前宣伝を廃し、ポスター1種のみの掲示という、近年では稀なマーケティングを行ったことでも注目を集めた。未発売であった映画パンフレットは8月11日に劇場に置かれた。ただ、多くの観客が待ち焦がれている映画に対する公式の解説は、今もまだ発表されていない。

そこで、これまで宮﨑作品を追い続けた取材体験、映画関係者のインタビュー記事、これまでに発表されたヒントをもとに、作品に対する考察をしてみようと思う。

※本記事は多くのネタバレを含んでいますので、まだ映画を観ていない人はご注意ください。

「上の世界」と「下の世界」

では、映画の疑問を解き明かしていこう。

映画「君たちはどう生きるか」のあらすじは、比較的シンプルである。主人公の牧眞人(まきまひと)少年は、太平洋戦争の始まりとともに母を亡くし、母の妹と再婚する父に連れられて、疎開先に向かう。そこには大伯父が建てた洋館があり、ある日、あやしい青サギに導かれて、中に立ち入ると、そこには別の世界が存在していた。

2つの世界感で映画が展開することから、ここでは仮に「上の世界」「下の世界」と書いてみることにする。

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