有罪になったらトランプ氏は大統領になれるのか 「国民の裁き」次第で恩赦も、選挙が運命を握る
だが、トランプ氏のこれまでの言動からも、少なくとも選挙前、同氏が司法取引に合意する可能性は低いであろう。
アグニュー副大統領の時代と大きく異なるのが、アメリカの深刻な二極化社会だ。
アグニュー氏は自らの潔白を訴えたものの、共和党エスタブリッシュメントは同氏を見捨て、保守系メディアの支持も集めることができなかった。だが、今日は状況が違う。共和党のケビン・マッカーシー下院議長もトランプ氏を擁護。保守系メディアはトランプ氏の強力な味方だ。
トランプ氏は1970年代にはなかったソーシャルメディアを巧みに利用し、共和党の岩盤支持層に直接訴えかけることで、計り知れない影響を及ぼすことが容易となっているのだ。
バイデン大統領に「息子の嫌疑」で反撃
トランプ氏は、司法捜査を民主党バイデン政権の「政治的迫害」「魔女狩り」と訴えることで、共和党内の支持固めに成功している。
さらに追い風が吹き始めているのが、バイデン大統領の息子ハンター氏の嫌疑だ。共和党やトランプ氏は、「おまえだって論法」でハンター氏の司法問題について「大統領は身内には対応が甘い」と訴え、トランプ氏の疑惑から世間の目を逸らそうとしている。
したがって現状、トランプ氏は司法取引をせず、大統領選勝利に自らの将来をかける可能性が高い。つまり、裁判所ではなく、選挙を通じた世論という法廷で裁かれることを狙う。
だが仮に大統領選で敗北し民主党政権が発足すれば、政治生命だけでなく人生そのものが狂うリスクを秘めている。
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