有罪になったらトランプ氏は大統領になれるのか 「国民の裁き」次第で恩赦も、選挙が運命を握る

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

なお、ニューヨーク州における口止め料捜査とジョージア州における大統領選投票集計妨害疑惑捜査については、連邦法に基づく捜査ではないことから大統領に恩赦を与える権限はない。

しかし、1973年に司法省が示した「現職大統領を起訴しない」とする方針が地検の捜査に影響するかもしれない。トランプ政権下の司法省はこの方針に基づき、同氏任期中は大統領に対する地検の起訴も阻止することが想定される。その是非については司法で争われること必至だが、最高裁判所はトランプ政権の主張を認める可能性が高い。

もちろん、これらはトランプ氏の大統領当選が前提となるが、いずれの事件も裁判所の判決のタイミングが重要となる。すでにトランプ陣営は判決が大統領選後となるよう、裁判の延期を試みている。

そもそも起訴されて出馬できるのか

トランプ氏は起訴、あるいは有罪判決が下されても大統領選に出馬可能との見方が一般的だ。アメリカ憲法では大統領選出馬の条件は、(1)アメリカで生まれ、(2)35歳以上であり、(3)アメリカに14年以上在住していること、のみとなっている。

しかし、大統領選出馬にはもう1つ条件がある。それは憲法修正第14条第3項で、政府に対する反乱に関与した「役人」は公職に再び就くことを禁じていることだ。

もともと同条項は、南北戦争でアメリカ合衆国(北軍)に対抗したアメリカ連合国(南軍)の人物が戦後、公職に就くのを防ぐことを目的に1868年に憲法に追加された条項だ。

だが、「役人」に大統領も含まれるかは不明だ。

2010年、ジョン・ロバーツ最高裁判所長官は「役人」とは任命された人物で、選挙で選ばれた政治家ではないとの意見を述べている。ただし、大統領の扱いについて具体的には示さなかった。

次ページ憲法修正条項をどう解釈するか
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事