やっぱまずい!「100円焼き鳥」食べてみた おいしさを決める「2つの鮮度」とは?
N君:そもそも僕たちが食べる焼き鳥って、3つのパターンがあると思うんです。ひとつは今回のような「スーパーや惣菜店のテイクアウト」。2つめは「焼き鳥専門店」。これは個人店からチェーン店、それから値段も高級からお安いのまでいろいろですね。それから3つめは「居酒屋のメニューのひとつ」として。焼き鳥はだいたい、どの居酒屋にもある人気メニューですよね。
河岸:さっきも言ったように、スーパーに限らず安いチェーンの居酒屋は、中国やタイですでに焼いたのを「とかしただけ」っていうのが多いよ。もちろん個人でやっている居酒屋には、自分で生肉から串に刺して焼いているところもあるけどね。その違いは、もう食べれば歴然。一発でわかる。
N君:専門店はさすがに、店の厨房で作りますよね? 安くて人気の某焼き鳥チェーン店は、開店前にスタッフがせっせと刺していることを売りにしていますが。
河岸:専門店は当然、店の厨房で肉を切って刺しているはずだし、焼き鳥チェーン店でも「店で1本1本串打ち」をうたっているなら、そうしていると思う。ただ、店で刺せばなんでもOKというわけでもない。「肉の鮮度」と「串に刺してからの時間」の2つが勝負だから。前回の高級焼き鳥店のように、肉を刺してから3日も経ったのを平気で出すところもあるわけだし。
焼き鳥のおいしさを「数式」で表すと
河岸:要は、焼き鳥のおいしさをYとしたら、そこにはいろいろな要素が絡み合っているわけ。私はこれを数式にしている。
N君:ギャハハ! 焼き鳥に数式を持ち込んだ人を初めて見ましたよ(笑)。
河岸:Yはおいしさ。X1、X2……は、おいしさの要因(変数)。aやbはX(変数)をおいしくさせる係数。X1が「肉を切ってから焼くまでの時間」としたら、aの値はたとえば「30分なら10」「1時間なら5」と時間が経つごとに小さくなっていく。
N君:「肉を切ってから焼くまでの時間」は、短いほどいいわけですからね。
河岸:そう。だから、肉を切ってから焼くまでの時間が短ければ短いほど、Yの値が大きくなっておいしさが増す。
N君:焼き鳥って奥が深いんですね。
河岸:鶏肉は値段が安いでしょう。安いものほど手間をかけて食べなきゃ。おいしい焼き鳥は本当においしいんだから。みんなにも、ぜひ一度、おいしい焼き鳥を食べてほしいね。そうしたら、タイで加工して店で解かしただけの焼き鳥がいかにひどいかがわかるから。
N君:僕みたいに、あれしか食べていないと「焼き鳥はこういうものか」と思ってしまいますもんね(苦笑)。
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