ターミナル駅から百貨店が消え去るかもしれない 大衆消費から富裕層やインバウンド向けに舵

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次の表は大手百貨店4社(三越伊勢丹、高島屋、J.フロント リテイリング、H2Oリテイリング)の主要店舗の売り上げデータについて抽出したものだ。2022年度の売り上げが2019年比でどうなっているのか、直近3か月(2023年4~6月)の月次売り上げの対前年比増減がどうなっているか、を確認できる。

16店舗中、9店舗が前年度でコロナ前を上回る売り上げを確保している。中でも、前期コロナ前比増収、かつ直近3か月110%増となったのが、東西の百貨店の雄、伊勢丹新宿本店と阪急本店だ。この2つの百貨店は噂だけではなく、数字でも業界のトップの実績があることを裏付ける結果となった。

前期コロナ前比増収かつ、直近2か月110%達成となると、三越日本橋本店、高島屋新宿店、大丸神戸店、松坂屋名古屋店、などが入ってくる。この好調組に高島屋新宿店が並んでいるのは、かつての業界を知る方にとっては、意外な銘柄なのではないだろうか。

伸び悩んでいる印象だった高島屋新宿店

高島屋新宿店は、日本最大の鉄道ターミナルである新宿駅の南口に直結、という一見最高の立地のようにみえるが、駅の南の端っこで、南口周辺の再開発が途上ということもあって、伸び悩んでいる印象があった。

1996年オープン以降、ピークの売り上げは2003年の827億円で、それ以降、2008年地下鉄副都心線開業、2016年にはルミネのNEWoManがオープン、巨大バスターミナルであるバスタ新宿のオープンなど再開発が少しずつ完成していくのに伴って、徐々に売り上げを増やしてはいた。

しかし、あの新宿駅(および、新宿三丁目)直結でありながら、伊勢丹本店や西口の小田急百貨店などの先行組に追いつけるという感じはなかった。そして、コロナ禍が発生するとともに大幅な落ち込みに襲われたのである。

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