議員へ贈賄疑い、「日本風力開発」政財界での影響力 業界団体も巻き込んだ異例の「入札ルール変更」

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500社を超える会員企業が入会するJWPAはこれまで洋上風力の普及拡大に向けて政策提言などを行ってきた。この協会で「公平な運営がなされているのか」。会員企業のそんな疑念の声を呼ぶ象徴的な事件が2022年5月30日に起きた。この日に開催された洋上風力に関する経産省と国土交通省による審議会では、検討中の評価方法の見直しについて事業者8社とJWPAを呼んでヒアリングを行った。

当時、焦点の1つとなったのが「落札制限」だ。これは複数海域の公募入札が行われる際、あらかじめ決められた規模を超えて同じ事業者が落札できないようにするためのもの。

業界内では、三菱商事連合による「総取り」を受けた対策の筆頭だったとみられているが、最も評価の高い提案を行った企業に事業を任せるのが競争入札の原則だ。入札結果を見て、案件を取りすぎているから他社に回すというような事後調整的な発想はもともとなじまない。審議会の有識者の中には「公正な競争自体を歪める可能性がある」と懸念を表明する者もいた。

物議を呼んだ協会の「賛同意見」

こうした中で行われたヒアリングだったが、事業者の意見は割れた。落札制限に対して、JERAや九州電力子会社の九電みらいエナジー、三菱商事が反対に回った一方、日本風力開発、大林組などは賛成した。条件付きで容認、賛成するという事業者もいた。

物議を呼んだのが、この場で業界団体であるJWPAが「(落札制限については)われわれ協会としては賛同」(祓川(はらいかわ)清副代表理事)と表明したことだった。会員企業には、反対を表明したJERAや九電みらいエナジー、三菱商事も含まれている。JWPAはなぜ、会員企業の間で意見が二分する問題について、賛同意見を表明したのだろうか。

JWPAは、2022年7月8日に臨時政策部会を開催。業界関係者によると5月30日に審議会で表明した意見について、「適切な集約の仕方だったのか」と複数の会員企業から疑問の声がJWPAに寄せられたという。これに対し、JWPA側は全会員に意見を聞く時間がなかったことから代表、副代表、幹部の意見をとりまとめたと説明した。

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