この間に悲しい出来事もあった。結婚披露パーティーの直後、幸太郎さんの母親と父親が相次いで亡くなり、さらに恭子さんの母親も他界したのだ。60代で親を看取るケースは少なくない。恭子さんはこのように振り返る。
「私たちが夫婦になり、2人の娘も含めて幸せな家族になったのを見届けて、親たちは安心してくれたのだと思います。親を見送るのは大変ですが、支え合う相手がいたのは本当に良かったです。私一人でも同じ見送り方をできていたかもしれませんが、悩みすぎずに進むことができました」
幸太郎さんの娘は35歳になり、8年越しの恋人と今年に婚姻届を提出。来年が結婚式らしい。恭子さんが冗談で「お父さんをあなたに返そうかしら」と言うと即座に「返品不可!」との答え。良好な母娘関係がうかがえる。
恭子さんの娘は27歳で、仕事に邁進している。幸太郎さんの意向で養子縁組を結び、「本当の親子」になった。
「遠慮なく日ごろから話してくれています。私は娘2人の家族が理想だったので、この歳でかなって最高の幸せです」
勇気を出して婚活をしてナイスリカバリーな人生だと繰り返す幸太郎さん。一方の恭子さんはやや現実的な観察をしている。
「同世代の友だちからは『私はむしろ卒婚したいのに、あなたはなんで今さら結婚したの? また親戚が増えちゃうよ』なんて言われることがあります。特に子育ては一大事業なので、途中で仲が悪くなってしまう夫婦は少なくないのでしょう。
主人(幸太郎さん)とも若い頃に出会って結婚していたら一緒に子育てを無事にできたのかはわかりません。だったら、子育てが終わってから別れて、それぞれ別のパートナーを見つけるのもありだと思います」
「まさかの展開になりました」
最後は、今年3月に本連載に登場してもらったばかりの浜野明子さん(仮名、58歳)と西山淳平さん(仮名、62歳)との事実婚ケース。
実は、この記事公開の直前に「先日、大宮さんとパートナーと楽しく3人で飲んでお話ししたというのに一気に破談の気配です。(中略)まさかの展開になりました」という不穏なメールを明子さんからもらっていた。その後、どうなったのか。
「彼とはときどき連絡も取っているし、私が東京に戻ったときは会って飲んだりしていますが、基本的に終了済み、な感じです」
やはり同棲および夫婦関係は解消してしまったようだ。そもそも2人とも事実婚を希望していたわけではなく、淳平さんは自分が妻の浜野姓になってもいいからと法律婚を望んでいた。明子さんはそこに一歩足を踏み込めなかった。自宅に西山さんが住むようになって違和感があったことが大きい。
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