自民党屈指の再エネ派議員、「強制捜査」の衝撃 「論客」退場で国のエネルギー政策に影響必至
他方、日本風力開発は子会社の「エネルギー戦略研究所」を通じて、京都大学大学院の「再生可能エネルギー経済学講座」を産学共同講座として支援してきた。同講座には、日本のエネルギー政策を批判的な視座で研究する学識経験者が集まり、送電線の空き容量問題の指摘をはじめ、その提言内容はエネルギー業界でも一目置かれていた。
同講座に所属する山家公雄・京大大学院特任教授は、「秋本議員の働きかけによって、公募ルールが事業者に有利になるようにねじ曲げられたという事実はない。それどころか、今のような価格偏重の入札方式が続けば、日本の洋上風力政策は立ち行かなくなる」と危惧する。
「再エネ利権」のごとくみなす意見も
ただ、山家氏の指摘が正しかったとしても、経営者による資金提供の目的を含めて、日本風力開発がガバナンスのあり方を厳しく問われることは間違いないだろう。秋本氏が沈黙し続ける中、すでにSNS上では「再エネ利権」のごとくみなす意見も持ち上がっている。
秋本氏の著書では「河野太郎行政改革担当大臣推薦!」(当時の肩書)という帯が巻かれ、「俺よりすごい、自民党一の『脱原発』男だ」との一文がある。
その河野デジタル相はマイナンバーカード保険証問題で党内外の批判に見舞われているうえ、今回、秋本氏が“一発退場”となったことで、自民党内では現行のエネルギー政策に「物申す」議員はいなくなりつつある。
日本の再エネ政策に影響が広がるのは必至だ。
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