自民党屈指の再エネ派議員、「強制捜査」の衝撃 「論客」退場で国のエネルギー政策に影響必至

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「第1ラウンドのやり方がよろしくなかったから変えてほしいと、塚脇さんは(役所や国会議員、業界団体など)関係先にものすごく働きかけをしていた。秋本議員も働きかけの対象の1人だったことは間違いない」

秋本氏や塚脇氏を知る関係者はこう語る。

「第1ラウンド」とは、経済産業省と国土交通省が実施した、洋上風力発電に関する第1回目の入札を指す。「再エネ海域利用法」に基づき「促進区域」として指定された秋田県沖や千葉県銚子市沖の3海域での公募入札で、三菱商事を筆頭にした企業連合が2021年12月に3案件を“総取り”した。

落札結果が公表され、三菱商事連合が提示した電力の販売価格がほかの企業連合を圧倒する低価格だったことが判明し、業界に衝撃が走った。

とりわけ、ショックを受けたのが、日本風力開発やレノバなど、早い時期から地元の漁業関係者の協力を取り付け、風況調査など調査活動を手がけてきた企業だった。

秋田県由利本荘市沖の海域入札で本命とされたレノバが敗退したことは「レノバショック」と称され、同社の株価大暴落の引き金になった。秋田県の2海域で有力視されながら、いずれも落札できなかった日本風力開発が受けた打撃も大きかったといわれる。

秋本氏の働きかけは功を奏したのか?

収賄疑惑が持ち上がった秋本真利衆議院議員(写真:共同)

それから間もなくの2022年2月17日に開催された衆議院予算委員会第7分科会。質問に立った秋本議員は萩生田光一経産相(当時)を前にこう言い切った。

「2回目の公募(第2ラウンド)から評価の仕方を見直していただきたい」「運転開始時期というのは非常に大事なファクターなので、ウエイト付けを見直すべきだろうというふうに思っています」

第1ラウンドの入札では、安値で応札した企業が有利になる一方、運転開始時期については評価点に含まれていなかった。秋本議員はこの点を問題にし、「第2ラウンド以降ではぜひ見直してほしい」と萩生田経産相に強く働きかけたのである。

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