「洋上風力汚職」で風力発電協会の残念すぎる検証 検証委員の1人は「秋本議員に個人献金」の過去

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日本風力発電協会
日本風力発電協会は7月31日に検証報告書に関する説明会をメディア向けに開いた(記者撮影)

「最初から着地点が決まっていた。結論ありきの検証だ」。日本風力発電協会(JWPA)が7月22日に公表した「検証報告書」について、ある会員企業の社員は憤る。

JWPAは風力発電の業界団体で、約500社のメーカーや発電事業者などが加盟。近年は洋上風力に関する政策提言を積極的に行ってきたが、昨年10月に資源エネルギー庁から行政指導を受けた。「第三者の関与の下で協会の意思決定および活動のあり方等を検証するように」という内容だ。

指導のきっかけとなったのは、洋上風力を舞台とした秋本真利衆議院議員と日本風力開発・元社長の受託収賄事件だ。事件前の秋本議員は自民党に所属、再生可能エネルギー普及拡大議員連盟の事務局長を務め、風力発電の普及を推進してきた。

東京地検特捜部は、元社長が国会質問などを依頼し、秋本議員がその見返りに賄賂を受け取ったとして昨年9月に2人を起訴した。秋本議員は起訴内容を否認している。

霞が関から「出禁扱い」に

この汚職事件には、JWPAも一定の関与があったのではないかと取りざたされてきた。加藤仁代表理事は日本風力開発の副会長(いずれも当時)。ほかにも同社の関係者がJWPAの要職に就いており、日本風力開発の強い影響下にあったからだ。

秋本議員らが起訴された日、JWPAはHP上で贈収賄疑惑への関与を否定するとともに「協会活動が特定の役職員や法人の意向に左右されることはない」と意見表明した。

しかし翌月にエネ庁から指導を受ける。JWPAは、「エネ庁はおろか、環境省など霞が関全体で出禁の扱い」(業界関係者)となった。

このようなことを背景にJWPAは、東京大学先端科学技術研究センターの飯田誠・特任准教授を座長とする検証委員会を立ち上げた。飯田氏は洋上風力に関する国の審議会で委員を務めている。

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