相続専門YouTuber税理士が語る「税務調査の実態」 相続税の実地調査では実に約9割が追徴課税に
2021事務年度(2021年7月〜2022年6月)の相続税の実地調査は6317件。2019事務年度以前は1万件を超えていた。新型コロナウイルスの影響を受け減少しているが、その分文書や電話など簡易な接触による調査が増え、トータルの調査件数は2万件を超える。
相続税の申告件数は約13万件なので、およそ6件に1件が調査対象に選ばれる計算だ。確率は決して低くない。とくに総資産額が5億円を超えるような資産家や会社経営者は、たとえ疑われる余地がなくてもかなりの高確率で対象になる。
対象者のリストアップにAIも導入
しかも、実地調査のうち申告漏れなどの非違件数の割合は87.6%(2021事務年度)と実に約9割が追徴課税になる。調査官の調査能力はもちろんだが、強力なツールが国税庁の巨大データベース「国税総合管理(KSK)システム」だ。
そこには全国民の毎年の確定申告(会社員の場合は給与の源泉徴収票)や過去の相続遺産などの膨大な情報が集約されており、そこから保有する財産の理論値をKSKがはじき出し、申告した遺産額との乖離から申告漏れの蓋然性が高い人をリストアップする。近年ではAIの機械学習も導入しており、申告漏れをあぶり出す精度は今後も向上するだろう。
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