映画「バービー」延焼を加速させた米国本社の悪手 原爆コラめぐり炎上、不誠実対応で不鑑賞運動も

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『オッペンハイマー』の日本公開は未発表だが、『バービー』は8月11日に迫っている。早期に収束させる必要があるためか、日本版『バービー』の公式ツイッター(X)の動きは早かった。7月31日夜、「ワーナー ブラザース ジャパン合同会社」の名義で、以下の謝罪文を画像投稿している。

「現在、いずれも7月21日にアメリカで公開されました映画『バービー』(配給:ワーナー・ブラザース)と映画『OPPENHEIMER(原題)』(配給:ユニバーサル・ピクチャーズ)の両作品を観ることを推奨する海外のファンによるムーブメント(#Barbenheimer)が起こっていますが、このムーブメントや活動は公式なものではありません。
一方で、このムーブメントに起因したファンのSNS投稿に対し行われた、映画『バービー』のアメリカ本社の公式アカウントの配慮に欠けた反応は、極めて遺憾なものと考えており、この事態を重く受け止め、アメリカ本社に然るべき対応を求めています。
この配慮に欠けた一連の反応について、不快な思いをされた方々には、お詫び申し上げます」(映画『バービー』公式アカウントより)
(映画『バービー』公式アカウントより)

8月1日になって、アメリカのワーナー・ブラザースも、各メディアの取材に対してコメントを発表した。各社報道によると、遺憾の意を示したとされるが、当の『バービー』公式ツイッター(X)では、問題となった投稿は削除されたものの、謝罪コメントは投稿されていない。

「日本法人がまっとうな対応をした」3つのポイント

ネットメディア編集者として、これまで数々の「SNS炎上」を見てきた筆者は、日本法人については、比較的まっとうな対応をしたと評価している。

具体的に、どの点が「日本法人がまっとうな対応をした」と判断できるのか。3つのポイントから見てみよう。

(ポイント1)日本法人が、いち早く声明を出したこと

炎上対策の基本は「早期に的確な発表を行う」ことにある。その点、外資系企業は動きにくい。おそらく一般的なフローだと、本社へ「お伺い」を立てて、その返答を待ってから、次なる対応を固めることになるだろう。そのタイムラグにも、延焼が止まらない……といったことを考えると、迅速な対応だったと思われる。

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