トップ5の各業種における1位の企業は、保険業・住友生命保険(47.3%)、サービス業・ABC Cooking Studio(97.3%)、銀行業・北國フィナンシャルホールディングス(33.4%)、その他金融業・ジャックス(29.6%)、空運業・日本航空(21.9%)となる。
『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2023年版の掲載情報によると、住友生命保険は2025年度末までに女性管理職比率50%、北國フィナンシャルホールディングスは2025年3月に40%、ジャックスは2024年度までに35%、日本航空も2025年度までに30%を目標に掲げる。各社、明確な数値目標を掲げ、現状ではそれに近い数字に到達してきているようだ。
一方で、平均比率が低い業種は、そもそも女性従業員比率が低い傾向にある。このような場合、まずは女性従業員の割合を増やすといった、育成するための土壌から作る必要がある。
そのうえで女性管理職を育成する策を講じなければならない。業種の特徴もあって、女性従業員比率の増加に課題を持つ企業も少なくないため、あらゆる企業に対して女性管理職比率の向上を一律に求めるのは難しい側面もある。
女性役員比率30%以上が数値目標
2023年6月に内閣府から「女性版骨太の方針2023」が公表され、プライム市場上場企業を対象に2030年までに女性役員比率30%以上を目指す数値目標などが設定された。女性役員となる人材を育成するという面でも、女性管理職比率は注目すべき指標だ。
さらに、今後は単なる女性管理職比率の向上だけでなく、比率が向上した結果、何が変わったのかという行動や実績まで求められてくるだろう。
今回ご紹介した内容は『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2023年版に掲載しているごく一部だ。「東洋経済CSRデータ」でもさまざまなデータを提供している。
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