ライブドア事件が残したものとは 堀江被告の実刑が確定
「ようやく1つのプロセスが終わった」
4月26日、堀江貴文・ライブドア元社長は記者会見で語った。最高裁は堀江被告の上告を棄却、2年6カ月の実刑が確定した。「悪い結果だし、悔しいし残念だが、人生ゲームのコマが1つ進んだな」
会見では一審、二審の判決や上告を棄却した最高裁の判断、検察制度のあり方、偏ったマスコミ報道などへこれまで通り批判の矛先を向けた。
が、「世の中の真理は不公平、不条理なのでどうすることもできない」と諦観を感じさせる発言も多かった。
ライブドア事件からもう5年も経つ。すでに事件の詳細は多くの人の記憶から消えていることだろう。
ライブドア及び堀江被告ほか同社の経営陣が問われたのは、証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載、偽計・風説の流布)の罪だった。この事件を大雑把に説明すると、株式交換を利用した企業を買収のスキームの中で、ライブドアが実質的に支配していた投資事業組合が自社株(ライブドア株)を入手、それを売却して得た利益をライブドアの収益としていた、というものだ。
なかなかわかりにくいが、2004年9月期のライブドアの営業利益の大半は実質的に自社株の売却益だったことになる。加えて、買収した企業からの架空売り上げによる利益も計上していた。これらが“粉飾”とされたわけだ。
堀江被告は「粉飾だと思っていない」と終始無罪を主張してきた。堀江被告の主張も一理ある。株式交換による企業買収、投資事業組合による株式売買など部分部分が違法かというと違うだろう。
しかも、元が自己株の売却による利益であっても、実際のキャッシュインもあるのだから“ない利益”を“ある”ように見せかける通常の粉飾とは違う、というのが堀江被告らの言い分だった。