日本でのビジネスはほぼ通常に戻っている--在日米国商工会議所会頭インタビュー


--原発事故発生直後から会員企業の相談はどのように変わってきていますか

当初、(会員企業の)最大の懸念は放射能による健康被害だった。そこから今度は水や食品の安全性に関する質問に代わり、最近では電力不足に対する懸念や質問がほとんどだ。

電力不足に関しての質問は、業界や業種によって異なる。たとえば製造業であれば、工場の機械などを動かすのに必要な電力確保が必至。一方、弊社のようにコンサルティング会社であればそんなに電力を心配する必要はないかもしれない。ただ今後計画停電のようなものがあるのか、とか、あとは夏場のエアコン利用など、電力が24時間必要なときにちゃんと使えるのか、といった部分に懸念があるようだ。加えて、今年の夏だけでなく、来年の夏をどう乗り切るべきか、という長期にわたった相談も来ている。

--今回、東北地方にある工場の被災によって、一部部品が足りないなどサプライチェーンの途絶が問題になっています。会員企業の中でもこうした影響を受けているところは多いのではないでしょうか

多くの企業が影響を受けているが、今ある在庫を使いながらビジネスを進めていこうという考え方があるほかに、サプライチェーンを再構築するためにサプライヤーの場所やそのものを変える、といったことや、本社にアドバイスを求めている会社もある。

今後は企業によって考え方はさまざまだと思うが、すでに従業員などをトレーニングしていることや、サプライチェーンとの関係を築いていることを考えると、極力国内のサプライヤーと事業を続けたいと考えていると思う。ただ、一部ではビジネス上の決定として海外にサプライヤーを求めていくこともありうるだろう。

--地震に加えて、原発事故の長期化や電力不足など、今後日本の部品などを採用したり、日本で事業を継続することはリスクが高い、とは思いませんか

どんな国にもリスクはある。しょうがない、というよりほかない。現時点では『日本抜きで』ビジネスをするといったような話は聞いていない。

--では日本で事業を続けていく上で、戦略上の見直しはあるのでしょうか

弊社も含めてほとんどの会員企業は、長い目で見ると日本でのビジネスは元の状態に戻ると考えている。現段階でもほとんど元に戻っている。一方で、「事業継続計画(BCP)」はわれわれも見直しているし、見直されるべきだろう。だが、それは日本に限った話ではない。

そもそもビジネスというのは非常にダイナミックなものであり、その中で判断を下すことである。確かに停電などに対する対策を考えなければいけないが、きちんと情報を集めてそうした状況に対応できるようになれば、通常のオペレーションを保つことは可能だ。

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