ビッグ会見に見る「SNS時代の企業謝罪」の難しさ メディアだけでなくネット民も追及する時代に

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ビッグモーター・兼重宏行社長
YouTubeなどでもライブ中継されたビッグモーターの記者会見は、ネットユーザーをはじめ多くの視聴者に「社員のせいにしている」といった印象を与えたようです(撮影:今井康一)
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保険金不正に揺れる中古車販売大手「ビッグモーター」が、社長交代を発表した。平日昼に行われた会見は、YouTubeなどでもライブ中継されたが、多くの視聴者は「社員のせいにしている」といった印象を覚えたようだ。あまり納得のいかないネットユーザーも多く、会見に否定的な声が相次いでいる。

また、数々の迷言にはネットユーザーから数多くのツッコミの声も寄せられており、企業が謝罪会見を開く際に、より個々の発言が「どう受け取られるか」を以前より慎重に考える必要が出てきている……そんなことを再確認させられる機会にもなっている。

そこで本記事では過去の「名物会見」を振り返りつつ、ネットメディア編集者として10年以上、SNSをながめてきた筆者の立場から、「釈明・謝罪会見のコンテンツ化」という観点で今回の会見を振り返っていきたい。

「ゴルフを愛する人への冒涜」発言が話題に

ビッグモーターは2023年7月25日、兼重宏行社長らによる記者会見を開いた。会見冒頭には、社長が兼重氏から和泉伸二氏(専務取締役)、副社長が兼重宏一氏から石橋光国氏(取締役)に、翌日26日付で交代するとも発表された。和泉氏と石橋氏のいずれも代表取締役となる。

保険金の水増し請求については、兼重氏は6月26日に出された特別調査委員会の報告書で知ったといい、「耳を疑った」「がくぜんとした」との反応を示す。また報告書が出てから約1カ月、ほとんど公式発表や報道対応も行わなかったことについては、役員処分(7月18日時点で、兼重氏が1年間の報酬返上などと発表)や再発防止策を示せばよいとの「認識の甘さ」があったとした。

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